金市場の下値を支えているのは誰

金が熱い市場がもっとも熱いのは

中国・北京の朝。金ショップの前には開店1時間前から、長蛇の列ができていました。ファンドの売りで、ニューヨークの金先物市場が金価格を大きく下げた翌日のことです。金を買い求める人々に尋ねると「銀行預金では不安だから金を買いに来た」と言う。中国の金需要のすごさを目の当たりにさせられました。

 

中国では、1年物定期預金の基準金利325%に対し物価上昇率は5.3%(今年4月)。実質金利は約2%のマイナスです。野菜など食品の物価上昇はさらに高く、市民の問では、銀行預金は目減りするという感覚が強まっているのでしょう。そこで、資産はモノで持とうと、ニンニクを倉庫ごと買い占めるといったことまで起きています。中国の金需要は、実物資産志向の現れなのです。

 

さらに、国家戦略的に民間の金買いを勧める動きがあります。莫大な外貨準備高を抱える中国は、少し米ドル資産を減らし、金にシフトしたい。しかし、人民銀行が、金を直接買い付けると大騒ぎになるのは必至です。そこで代わりに、民間の備蓄を増やし、金を国境内に囲い込もうとしているわけです。中国4大商業銀行は昨年から金の販売を本格化させ、支店には特大ポスターや純金バーの見本があふれています。その一つ中国工商銀行だけでも、約1万6000ドル、2億口座を抱え、その販売網は強力ですから。

 

中国の金購入は、長期保有を目的にしているので、相場が下がった時に買う。そのため、価格を引き上げる要因にはなりにくいですが、下値をサポートしてくれます。個人投資家の最大の不安は、金を高値で買ったところで、はしごを外され、暴落しないか、ということでしょう。その点で、チャイナマネーの金需要は投資家の安心材料と言えます。

欧米株安の流れもあり、利食い優勢の相場展開になりそうだ。ドイツ連邦議会で欧州金融安定化基金の機能拡充についての法案採決が予定されているため、様子見ムードが強まりそうである。NY原油先物相場が大幅に下げていることもあり、昨日強い動きが目立っていた素材株は上げ一服といったところか。